ババルデデンボ
【登場人物】
A 男。
B 男。
アドリブや言い回し、性別などの変更はどんどんどうぞ。
所要時間10分前後です。
【配役表】
A:
B:
【本編】
A:いいか? もう一回やるぞ? よく見とけよ?
B:ああ。
A:まずは、こう。
B:うんうん。
A:それを、ゆっくりと、こうして……。
B:おおお。
A:そして、……こうだ。
B:す、すげえ。やっぱお前のババルデデンボは何回みても芸術だな。
A:そんなことねえって、ほらお前もやってみろよ。
B:えぇー、できるかなあ。
A:こういうのは思い切りが大事なんだって。見ててやるからやってみろよ。
B:ああ、じゃあやってみるけど、笑うなよ?
A:笑わないって。
B:じゃあ……。えーっと、まずはこうして……。
A:そうそうそう。
B:ここから、ゆっくり……。
A:あー良い感じ良い感じ。
B:そんでぇ……ぇ……あぁ! 駄目だぁ!
A:ははは。
B:ちょ、おいおい笑わないって言ったじゃん!
A:ああ、ごめんごめん。まあでも良い線いってたよ。
B:え、マジで?
A:うんうん。最初にしては上出来だよ。
その調子ならすぐにババルデデンボ出来るようになるんじゃないかな。
B:おー、なんか自信出てきたわ。ちょっと教えてくれよ。
A:いいけど。……じゃあまず最初のとこやってみ。
B:えーっと、こうか?
A:そうそう。
んー、まあ形としては悪くないんだけど、ちょっと指先への意識が足りないかなあ。
B:指先?
A:ここの薬指ん所をさ、こうして……。
B:うぐ……。
A:そんで脇を締めつつ、左足をこう……。
B:うぐぐ、結構、しんどいな……。んん……うぐぐ……んはぁ!
A:もう駄目かww
B:いやあキツイわ。
A:しょうがねーな。いいか? 一緒にやるぞ? こうして……。
B:こう?
A:違う違う。こう。
B:こう?
A:違うって。こう。
B:こうか?
A:いや違う違う。こう。
B:んんん。こうか?
A:いやだからこうだって。
B:こう?
A:……いい加減にしろよ。
B:え?
A:ふざけてんのか?
B:え、ちが。
A:ババルデデンボは遊びじゃないんだ。
真面目にやらないと怪我するぞ。
B:え、あ、ごめん。
A:いいか? もっかい最初からやるぞ。……こうして。
B:こう?
A:んん、まあだいたいそんな感じ。そんでここからゆっくりと……。
B:ゆっくりと……。
A:早い早い。もっとゆっくり。
B:ゆっくり……。
A:もっともっと。焦るな焦るな。呼吸を整えろ。……いいか?
B:うん。
A:よし、そんでこのまま……こうだ。
B:えーっと、……こう。
A:うんうん。――よし、じゃあちょっと一人でやってみ。
B:わかった。……まずこうして。
A:そうそう。さっきより全然良いよ。
B:よし。そんでここからゆっくりと…………こう。
――……どう?
A:んー、最初よりは良いけど、ちょっと決めが甘いな。
B:決め?
A:なんつーかな。伝わってこないんだよな。お前のババルデデンボに対する気持ちが。
B:気持ち。
A:もっとババルデデンボに対する思いを表現しないと。
ババルデデンボが何なのかってのを意識するんだ。
B:そう言われてもなあ。まだかじった程度だし。
A:んー、いいか? お前の前にドラルテラスがあるとするだろ?
B:うんうん。
A:その中にバルメリオを使ってラルテーゼを作りながらセステするイメージだ。
B:なるほどなるほど。
A:そんで最後はラルデビーチェを内包したノアンドを
爆発的にサンクトマルディオさせるんだ。
B:あー、つまり、最終的にフンベルドットするってこと?
A:そうそうそう、いいね。分かってきたじゃん。
B:でもそうなると、ハバラを仮定した場合のコルテッドはどうするんだ?
A:良い目の付け所だ。それはマミネオで処理する。
B:え? ネアノークを踏まえた上でか?
A:もちろん。
B:じゃ、じゃあコントレッドがビルストレオンした時は?
A:ああ、そこは確かに難しいところだな。一歩間違えれば……。
B:い、一歩間違えれば?
A:――ボンッ……だ。
B:……こえぇぇ。
A:ああ、だからこそ、そこで重要になってくるのが……。
B:あ、もしかして、ヨルセト?
A:ビンゴ。
つまりキルヴィクスからのテルデオを段階的にギルアムスにシフトしていくってわけだ。
B:ムステスへのアンチテーゼ……。
A:そういうこと。
理解が早いな。だが忘れちゃいけないのがオルスから伝わってくるティートステンだ。
B:あー、はいはいはい、そこは盲点だったわ。
スルメキオをシーライティで中和するんだな。
A:そうそう、そこに無理やりでもいい、ナークルスをねじ込む。
B:じゃあ、やっぱそこでオットスロードも絡んでくるんだろ?
A:ヒルルチャードもな。
B:マジで?
A:マジマジ。
B:うっわーそっかぁ、そっかそっか、知れば知るほど奥が深いなあ。
A:まあなあ。
B:やっぱ俺にはババルデデンボは無理かもしれない。
A:いやいや、そんなことないって、
お前ならフルストレクスのゼラルぐらいはデンダスだって。
B:え? ヒマラリオの?
A:そっちじゃなくて、カキテムのほう。
B:うっそマジで? それはドルバゼルコっしょ。
A:ヒュムサ、ヒュムサ。だってムナルセだってゾルタック・ビルデーンだぞ?
B:え、じゃあなんでお前はソムラリをゼルミオッド?
A:ゼルミオッドはミヌと関係があってな。そこでちょっと、ルルラシオンしちまったんだ。
B:え、それは知らなかったわ。ボルもミームテム?
A:ボルはダルダリルのクミート。
B:ヴァルビーはスクテオのヒトトクルセインドからコルポって話か。
A:あ、でもバスは流石にアウスリーヘンがイルストだ。
B:え、ドーヘンバッハ?
A:ヴィス、ヴィス。
B:シュールス、デ、ダン。
A:パンテリオ、ボミ。
B:ドルチョ、ダルデルアークト、セースト。
A:アーム、アーム。アーミソクト。
B:アーミソクト、コンドット?
A:ホームン、フィーボン。
B:フィーボン!
A:フィーボン! フィーボン!
B:バッラwww
A:ヒルスww
B:ウィ、ウィールコッポwwwデバwww
A:エッラwwwwルテwww
B:バレwwww
A:ドッソwwww
B:マジ受けるなwww
A:だろww
B:いやー、やっぱお前のババルデデンボに対する思い入れはすげーわ。
A:こればっかりは譲れないからな。
B:お前のおかげで、ババルデデンボのことすげえ良く分かったよ。身に染みた。
A:おお、それは何よりだ。
B:ああ、だからさ。
A:ん?
B:だから俺、来月の大会に出ようと思うんだ。
A:え、おいおいマジかよ。
B:ああ。いける気がするんだ。
A:――本気……なんだな。
B:見守っててくれるか?
A:見守る? 何言ってんだ。俺もその大会に出る。
B:え?
A:俺達はライバルってことだよ。
B:はは、そうか。ライバル……か。
A:ああ。いくら友達だからって手加減はしないぜ?
B:望むところだ。
A:その意気なら、俺も全力でやれそうだ。
B:言ってろ。大会までに俺のババルデデンボを曲がった所まで持っていく。
A:ほー、そりゃ楽しみだ。俺もつまむ程度の所まではいくつもりだ。
B:はは、強気だな。さすがお前だ。
A:ふっ、さあ――次は大会で……いや、決勝で会おう。
B:ああ!
END