友達
A 学生(男)マイペースに喋ります
B 学生(男)大きい声出します
掛け合いです。テンポが大事。
アドリブもモリモリどうぞ。
台詞回しは台本通りではなく、演者が演じやすいように読んでください。
所要時間18分前後です。
A:お、来たか。入れ入れ。
B:おっす、急に邪魔して悪いな。
A:いやいや気にすんな、いつものことだろ。今日は学校も休みで暇だしな。
――まあ座れよ。
B:ああ。
一拍
A:で、なんだよ、相談事って。
B:ああ、それな。
A:俺とお前の仲だ。気にせず話せよ。
B:あ、ああ。そうだな。いや、それがさ。いやでも、あ〜どうしよっかな。
A:おいおいなんだよ、出し惜しみか?
B:ん〜あ〜でも、そうだよな……お前には、言っておいたほうがいいよな。
A:なになに、一体なんだよ。
B:実は……さ。
A:うん。
B:俺、す、好きな人が出来たんだ。
A:ほー、そうか。
B:驚かないんだな。
A:別に驚かないよ。出し惜しみするから、
どんな相談もちかけられるのかと思ったら、そんなことかぁ。
B:そんなことって……。
A:ああスマンスマン。でも、誰だって好きなやつくらいできるだろ。
で、だれ?
B:やっぱ聞いちゃう?
A:うん。気になる。
B:そうだよな……。
A:うん、だれだれ?
B:実は、お前に話したのも、その相手ってのがさ。
A:え、なに、俺に関係ある子か?
B:まあ、そうだな。
A:えー、誰だろ。……わかんないな。
B:わかんないよな……。実は、お……。
A:お?
B:お……お前の、妹なんだ
A:あぁーー、へぇー
B:いやいやいや、好きって言ってもあれだぞ?
まだちょっと気になってるぐらいだぞ? なんつーかな、
いつも学校でお前の横にいたりするのを見てる内にな、
こう、意識するようになっちゃって、
だから、まだその、すぐに告白するとかじゃなくてだな?
A:おいおいなんだよ、弱気になってんのか?
B:いや、別にそういうわけじゃ……。
A:でもなんか自信ないような感じするぞぉ? もっとグイグイいけよー
B:な、なんだよお前ww 自分の妹なのにすげぇ他人事みたいにww
A:そんなの関係ないって。友達の恋なら応援するぜ?
B:お前・・・・・・。あ、ありがとう! なんか、すげえ勇気でたよ!
お前に相談してよかった。やっぱ持つべきものは友だな! 俺、がんばるよ!!
A:俺も応援するよ。その恋。成就させようぜ。
B:ああ!
一拍
A:ところで、話かわるんだけどさ。
B:ん? おう、なんだ?
A:・・・・・・いもう、とって、誰だ?
B:えっ いや、だからお前n
A:ああうんうんそれは今の話聞いてなんとなく分かったけど。
B:だからその妹だよ。
A:いや・・・・・・俺、妹いないぞ?
B:えっ。
A:いやだから、俺、妹いないぞ? 一人っ子だし。知らなかったっけ?
一拍
B:え? いないの!?
A:うん。
B:え、じゃあなになに、ちょっと待ってちょっと待って。……誰だ?
A:何が?
B:お前の妹がだよ。
A:だから妹いないって。
B:そうじゃねーよ。いるだろ!? 学校でいつもくっついてる子
A:えー? ……あ! 分かった。あれだろ? 一年のアキ。
B:そうそう! それそれ!! あの子! アキちゃん!
A:あれ彼女だよ。
一拍
B:えええええ!!??
A:うん彼女。
B:うん彼女じゃねえよ!! いたの!?
A:ああ、ちょっと前にな。告白されて、今付き合ってる。
B:ええええ!!??
――え? でも待てよ。待て待て。だっていつもお前のこと『お兄ちゃん』って。
A:ああ、呼ばせてるんだよ。
B:ええええ!!?? なんで!?
A:なんでって、なんかいいじゃん?
B:あれは!? いっつも持ってるお揃いの弁当は!?
A:アキが作ってくれてるんだよ。
B:あーん、もう!!! なんで言わないの!?
A:なにが?
B:だから、なんで言わないの!?
A:なにをよ。
B:だからさ、俺がお前に相談した時にだよ!
さっき言ったよね? 俺。お前の妹が好きだって。
A:言ったな。
B:なんでそん時言わないの!? 妹いないって!
お前さっき『話かわるけど』とか言ってたけどかわる前に言えよなあ!
A:あー、いや、
俺もはじめ聞いた時、『こいつ何言ってんだ?』って思ったけどさ
すげえ真剣に話してんだもん。なんか言い出しづらくってさ(笑)
B:笑ってんじゃねーよ!! 笑ってんじゃねーよ!!
いらないよ! いらないよその気遣い!!
じゃあなに!? 俺はお前の彼女を好きになったってこと!?
A:まあ、そういうことだな。
B:あーはいはいおけおけ。まあいいや、それはまあいいや。
……なんで言わないの?
A:なにが?
B:だからさ、彼女できたって。
A:お前に?
B:俺に。そんなの全然知らなかったんだけど。
A:いや、別に言うほどのことでもねーかなーって
B:言うほどのことなんだよ!! 好きになっちゃってんの!! 俺は!!
A:それは知らなかったし(笑)
B:笑ってんじゃねーよ!! え、なに、いつから!? 最近だろ?
A:え? あー去年の夏かなあ。
B:去年の夏!?
A:うん。
B:今何月だと思ってんの!?
A:2月。
B:半年たってんじゃん!! 半! 年! たっ! てん! じゃん!!
――え? あれ? 待って、去年の夏?
A:うん。
B:あれ? 去年の夏って、夏休み!?
A:うん。
B:去年の夏休みって、俺、お前とほとんど毎日遊んでた気がするんだけど
A:ああ、いつもお前が帰ったあと来てたよ。
B:ここに?
A:ここに。
B:なんで言わないの?
A:なにが?
B:だからさ、このあと彼女くるって。
A:いや、別に言うほどのことじゃないかと。
B:言えよ! 言ってくれよ! 頼むから!! じゃあなに、俺がここに居て、
そろそろ帰るわーってなったあとに、彼女が来てたわけか!?
なんなんだよ!! もう!!
あ、じゃあなんだ。あれあれ、夏休み、合コン誘ったじゃん、俺。覚えてる?
A:あー覚えてる覚えてる。
B:んで、断ったよな、それお前。
A:うん断った。
B:あれも彼女いるからか?
A:そうそうちょっと用事あってさ。
B:なんだよなんだよ!
じゃあ俺が合コンで目を光らせてる時に、
お前はここで彼女とイチャついてたわけか!
A:いや別にここでではなかったけど。
B:え、なに、どこ行ってたの?
A:シカゴ。
B:シカゴォ!!??
A:うん。シカゴ行ってた。彼女と。
B:なんで言わないの!?
A:なにが?
B:シカゴ行ったって!
いやいやだってさ、俺がお前を合コンに誘ったとき、会ったよな俺ら。
A:うん。
B:会ったよな!? そうだよ、この部屋でお前に話したんだもん。
そんでお前は合コン当日シカゴにいったってわけか。
A:まあ、当日っていうか、その日だけどな。
B:その日?
A:いやだから、お前に合コン誘われて、その日に出発した。
B:俺がここでお前を誘った日!?
A:うん。
B:なんで言わないの!?
A:なにが?
B:そん時に!! シカゴ行くって!!!
A:ああ、言わなかったっけ?
B:言ってねーよ!! シカゴだよ!? シカゴ!!
シカゴ行くってなったら言いたくなるでしょ!? なに、シカゴって!?
A:シカゴはアメリカだよ。
B:そうじゃねーよ! そうじゃねーよ! それは知ってるよ!!
だから俺が言いたいのは、
シカゴ行くってなったらとりあえず誰かに言いたくなるでしょ!?
A:いやぁ、別に。
B:言いたくなるんだよ!! 言・い・た・く・な・る・ん・だ・よ!!
行く直前からその話で持ちきりだよ普通は!!
でもお前は直前まで俺と居たのにひっとことも言わなかったけどね!!
A:え、なに言ってほしかったの?
B:言ってほしかった!! そんでシカゴの話したかった!!
A:あー、そっかぁ。悪かったなあ。
B:まあいいけどさあ……。
ていうか何、旅費とかはどうしたの? 結構するんじゃないの?
A:ん、ああ、バイト代ためてな。
B:えぇ〜ちょっとちょっと、…バイト?
A:うんバイト。
B:バイトしてんの?
A:うん。
B:いつから?
A:去年。
B:なんで言わないの?
A:なにが?
B:バイトしてたって。全っ然知らなかったんだけど。
A:ああ、してるんだよ、ほら駅前にスタンドあるだろ? あそこでやってる。
B:いやいやいやいやそれはいいんだけど、なんでバイトしてるとか言わないの?
いやほら始めた時とかに言いたくなるでしょ?
『バイト始めたんだー』みたいなさ。
A:あー。
B:去年とかだったらもうそうとう会ってるでしょ俺ら? 会ってるよね?
A:ああ、まあなあ。
B:なんでその中で一回も言わないの?
一回ぐらい言うでしょ? バイトしてるって。
A:一回ぐらい言ったんじゃねーかなあ。
B:言ってねーよ! 言って、ねー、よ!! 初耳だよ!!
A:あーそっかぁ。まあでもきっとたまたまだよ、たまたま。
B:たまたまって、たまたまがそんな長期間続いてたまるかよ。
A:たまたまがたまたま長期間続いたんだよ。
B:なんだよそれ屁理屈じゃねえかよ。
A:まあいいじゃねーかよ、それ知ったってお前に得があるわけじゃないんだし。
B:ん、まあそうだけどさー。
A:いいじゃんいいじゃん気にすんなよ。
B:そっかぁ……? まあそうだな……いっか。
A:うん。
一拍
B:あ、まあ、それはそうと、知ったからには聞くけどよ。
……なあ、アキちゃんとはどういう感じで付き合ったの?
A:ああ、彼女と?
……えっとぉ、ああ、確か去年の夏さ、BBQやったじゃん?
サークルの集まりで。
B:……
A:そん時に『誰が誰を好きか』みたいなノリになったじゃん?
んで、そん時にアキちゃんが実は俺が好きだったーみたいになったじゃん?
その流れで、かなあ。
B:あー、そうなんだー。
A:うんそうそう、あったよなーそういえば、そんなこと。
B:知らなかったんだけど。
A:え?
B:いや、BBQとか。
……あれ? ちょっと待って、俺ってさ、お前と同じサークルだよね。
A:うん、そうだな。
B:だよな、だよな。……BBQってなに? 俺行ってないよ。
A:あれ? いなかったっけ?
B:いないいないいない。知らない知らない。
え、なに、BBQやったのお前ら!?
なんか俺が知ってる前提みたいな感じで話してたけど、
『何々じゃん?』『何々じゃん?』みたいな。俺知らないよ!?
A:あー、そうなんだあ。
B:そうなんだあ、じゃないよ!! なんで言わないの!?
A:言わなかったっけ?
B:言わなかったっけじゃないよ!!! 言ってないよ!! 言えよ!!
なんだ、俺を仲間はずれにしてるのか!?
A:そんなことないって。
B:いやそうでしょ絶対!! サークルの中で、
『あいつ呼ばないようにしよう』みたいな流れになってたんじゃないの!?
A:違うってば。
B:なんだなんだそうかそうかー! そういうことだったんだな!
みんな影で俺をのけ者にして笑ってたってわけか!!
A:やめろよそういうの。違うって言ってるだろ?
B:何が違うんだよ!! どうせサークルの奴らはみんな俺のこと嫌いなんだよ!!
A:だからやめろよ!
BBQの時、サクラちゃんはお前のこと好きって言ってただろ!!!
B:えぇぇ……。
A:だから、な。違うんだよ。お前をのけ者にしようなんて誰も思っt
B:いやもういいよその話は。……え、なに、サクラちゃん俺のこと好きなの?
A:え、そうだよ。BBQの時言ってたじゃん。
B:だから行ってねーんだよ俺は!!! BBQには! 俺行ってないの!!
A:あそっか。
B:えーちょっと待って、サクラちゃんってあれだろ?
同じサークルのすげえ可愛いくて性格良い子。
えーうそマジでwwマジかぁwww
――……え、でも待てよ。それって去年の夏の話だよな。
A:うん。
B:うんって……、まあいいや。それって、まだ俺のこと好きだったりすんのかなぁ。
A:んーどうだろうな。
B:え、なに、なんでそういうこと言うの?
A:いや、ほら、あの子内気な性格だからさ、
お前に直接じゃなくて、俺に結構相談とかしてたのよ、お前のことで。
――……あ! そうだ、ちょっと待ってて。
一拍
A:ほらこれ、サクラちゃんからお前への手紙、
なんか渡してくれって言われてたんだよ。ちょうどいいから今渡しとくわ。
B:え、なにこれ。……読んだ?
A:読んでない。
B:いつ渡されたの?
A:あーえーっと、4ヶ月くらい前かなあ。
B:遅い!! 遅いよ!! もっと早く渡せよ!! 今渡すもんじゃねーだろこれ絶対!!
A:いや、でもいつまでとか言われなかったし。
B:そんなもんいちいち言われなくたって分かれよ!!
ていうかその4ヶ月のあいだ俺はお前にどんだけ会ってんの!?
どんだけこの部屋にきてんの!? 渡すチャンスいくらでもあるだろ!?
4ヶ月間って、もうほとんどお前の所有物じゃねーかこれ!
A:はは。
B:笑ってんじゃねーっよったくよー。
んだよもー……ああ、とりあえず読むわ……なになに……
『こんな形で伝えるのを許してください、面と向かって言うのが恥ずかしいので。
初めてお話をした時からずっと好きです。付き合ってください。
私の電話番号を書いておきます。お返事、待っています』
一拍
A:ヒュー♪
B:ヒューじゃねーよ! ふざけんなよ!
これ4ヶ月前って、その間俺何度もサークルでサクラちゃんに会ってるからね!?
たぶんこれ渡した次の日とかも俺普段通りに話しかけてるからね!?
どうすんだよ俺すげー最低な奴になってんじゃねーかよー!!
A:いやでも、返事いつまでにとか書いてないじゃん。
B:いやいや書いてないけどよ、もう賞味期限切れてるだろこれ絶対。
A:そんなん分かんねーだろー。ほら、電話かけてみろよ。
B:いや待てよいや待てよ。それ以前に俺はアキちゃんが好きなんだってば。
A:アキは俺の彼女だよ。
B:知ってるよ。それはさっき知ったよ。
でもそう簡単に切り替えられるものじゃねーだろ。
A:でも、サクラちゃんがまだお前のこと好きだったら?
あの可愛くて性格も良いサクラちゃんがお前のことまだ好きだったら?
一拍
B:付き合っちゃうかも〜www
A:だろ〜?www ほらほら電話かけてみろって。
B:え、いやでも待てよ。
A:いいからいいから、ほら電話かせって。
B:いやちょっと。
A:いいからほら、はいはいはいもーらい!
B:あ、ばか、俺の携帯返せ!
A:えーっとなになに090の……ほいっと、……ほら繋がった! 返すぞ!
B:え、ちょちょちょちょ、マジで? うわホントに繋がってるじゃねーか!
おいおいおい心の準備ってもんg あっ、ああああももしもし。サ、サクラちゃん?
あ、あぁゴメン急に、あの、俺だけどうん、そう。
そうそう。あーー、あの、えーーっと(間)
……あ! あのさ! 手紙、読んだんだ。あ、うんそうだよね! 遅いよね!
ハハ、いや、ちょっと色々あってさ。遅くなった。うん、うん。
それで、あの、返事、なんだけど。
もし、サクラちゃんの気持ちが変わってないなら…………
よ、よろしくお願いします!!!(間)
え、うん、え!? いいの!? うそ! やった!!
え、ほんとに!? うわ嬉しい!!
え? うんうん! あそっか! うん分かった!
それじゃ、また明日ね! うん、うん、はいそれじゃあねーはーい。
間
B:おい、やったよ……!
A:やったな……!
B:俺サクラちゃんの彼氏になっちゃったよ!!
A:ああ、これでサクラちゃんの6人目の彼氏だな!
B:ちょちょちょちょ、え、なにそれ。
A:え?
B:6人目ってなに? 6人目って。
あ、ああ、今まで付き合ってきた彼氏が5人いたってこと?
A:いや、6股。
B:6股!!??
A:うん6股してる、あの子。
なんか、気に入った男には片っ端から告白してるみたいよ。
大人しい顔してえげつないよねぇ。俺も一回告白されたけど、絶対ごめんだわあんな女。
一拍
B:なんで言わないの!?